文化・芸術

2019年9月10日 (火)

「百舌鳥(もず)・古市古墳群」に関連して

今年、世界遺産に登録された「百舌鳥(もず)・古市古墳群」に関連して、昨年の歴史検定日本史1級で、次のような問題が出題されました。

問 下線部(畿内のほか、地方にも巨大な前方後円墳が偏在する)について述べた文として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。

① 出現期における、畿内最大規模の古墳として、奈良県の箸墓古墳や西殿塚古墳があげられる。
② 地方にみられる巨大な古墳として、岡山県の造山古墳や群馬県の太田天神山古墳があげられる。
③ 前方後円墳のうち、国内最大とされているものは、大阪府羽曳野市にある百舌鳥古墳群の大仙陵古墳である。
④ 出現期の古墳では、西日本においては前方後円墳が多かったのに対し、東日本では前方後方墳が多かった。

百舌鳥古墳群は大阪府堺市にある。羽曳野市にあるのは古市古墳群。

解答 ③

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2019年9月 3日 (火)

銀の球

511oll1o 星新一のショートショートに『処刑』という作品があります。

流刑星とも呼べる赤い惑星で、罪人である主人公が生きていく話。

罪人には銀の玉が1つ渡される。この銀の玉は1度ボタンを押すたびに周囲の空気を急激に圧縮させることでわずかな水を作り出す。気温が高く乾燥しているこの赤い星ではまさに水は命。

しかし、この星は罪人を処刑するための星である。この銀の玉は1度押すたびにわずかな水を生み出すが、その何回目かにボタンを押すと爆発を起こし、罪人を死に至らせるというものなのだ。そしてその爆発は何回目のボタンかはわからない。

主人公の男は初め恐怖に怯えながらボタンを押していましたが、やがて気づくのだ。このボタンを押すことと地球での生活が変わらないということに。

いつ死ぬかわからない。自分で死の原因を手繰り寄せているかもしれない。我々は罪人ではありませんが、同じように「銀の球」を持って、日々を過ごしているのです。だからといってびくつくのはよしましょう。恐怖に怯えていたら何もできません。灰色の時間に縛られるのだけはごめんです。

2019年8月24日 (土)

常識があれば

センター試験の中には、その科目の知識というより半ば常識で解けてしまう問題が含まれている場合があります。やはり、広い意味での教養があることは大切です。

 下線部(伏見城)に関連して、桃山文化について述べた文として誤っているものを、次の①~④のうちから一つ選べ。(2018年 センター試験日本史B)

① 三味線を伴奏に人形を操る人形浄瑠璃が始まった。
② 城郭内部の障壁画などに濃絵の手法が用いられた。
③ 小歌に節付けをした隆達節が庶民の人気を博した。
④ 簡素さよりも豪華さをたっとぶ侘茶が大成された。

簡素さを尊ぶからこそ侘(わび)茶という。

解答 ④

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2019年7月29日 (月)

文化史が苦手な人へ

文化史を苦手にする人は思いのほか多い。その原因は、 人名と作品名の丸暗記だけで済ませようとしているからではないでしょうか。

マンガやドラマ、歴史小説の力を大いに借りるべきだと思います。歴史が好きな人なら趣味と実益を兼ねますし、歴史好きでない人でもイメージが残りやすい。あるいは、これらがきっかけになって、好きになることもあるかもしれません。

これらを楽しむ時間的余裕がないという人は、資料集を積極的に活用しましょう。絵画や彫刻、建築物などは写真とともに出題されることが多いのですから、名前だけの記憶では不十分。有名なものについては、写真を見て名前がわかるようでなければいけません。

資料集に載っていないものについては、スマホやパソコンで画像検索してみるのもよいでしょう。あるいは、Wikipedia で業績や生涯などを眺めてみるのもよい。そのひと手間をかけるだけで記憶に残りやすくなること請け合いです。

私が受験生の時代には勉強にインターネットを活用することはできませんでしたが、今の時代に活用しないのは、はっきり言ってもったいない。教科書・ノートだけが勉強ではありません。

 

2019年6月 5日 (水)

羽生善治九段、通算1434勝達成

7005766_ext_col_03_0 空前絶後の記録と言われた故大山康晴十五世名人の最多勝利記録。4日、その記録を羽生善治九段がついに更新しました。棋士になって33年あまり。この間、史上初の7冠と永世7冠を達成し、国民栄誉賞も受賞しましたが、さらにもう一つの大記録を積み重ねました。

平成の将棋界をリードした羽生九段が目標にしてきたのが、大山十五世名人の持つ最多勝利記録でした。大山十五世名人が1433勝を挙げたのは69歳3カ月の時。それを20年あまり早い48歳8カ月で超えたわけです。

羽生九段は、たとえ負けても引きずることがなく、連敗も極端に少ない。また、新構想を持って対局に臨む研究熱心さに加え、実戦の中で相手戦術への対策を編み出す適応力も高い。これまでの実績に加え、40代後半でもなお強さを保っていられるのはものすごいことだと思います。

何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続しているのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。

 

 

 

2019年5月31日 (金)

土偶

E087576e75b8373db09c8c87464bc540土偶は、縄文時代に沖縄県を除く地域で製作された土製品のことで、全国で1万5000~1万8000体程度出土しています。

土偶は女性、しかも妊婦をかたどったものが多いため、安産・多産あるいは豊穣の願いに通じると考えられています。また、土偶は完全な無傷で出土するケースがほとんどなく、その多くが故意に破壊されたと考えられることから、悪霊封じや災厄除けなどの呪術に使われたのではないかと見る向きもあります。さらに、最近では、子どものおもちゃだったという説まであります。

土偶はアニミズムを具体的に示す遺物であることは間違いないでしょうが、いまだに何のために製作されたかはっきりとはわからない謎の土製品なのです。

2019年5月28日 (火)

日本の化粧文化

2017年の明治大学商学部の日本史で、切り口のおもしろい以下のような問題が出ました。

以下の文章は化粧にかかわる歴史について述べたものである。A~Eの【 】に入る最も適切な語句を①~⑤から選び、マークしなさい。

(略)
化粧はベースメークに白粉を塗り、眉墨、紅という基本形は維持されるものの、時代を経るあいだに様々なバリエーションが生まれていった。江戸時代後期以降唇を緑色に光らせる「笹色紅」という化粧法も流行したが、この当時来日した西洋人たちの日本女性の化粧に対する評判は総じて悪かった。D【①大西洋 ②戦闘 ③東インド ④偵察 ⑤太平洋】艦隊司令長官のペリーも「厭うべき黒い歯」とその著書で記している。ただ、このお歯黒に対してはその美しさの意味を解き、それを擁護する見解も聞かれる。耽美的作風で知られるE【①吉川英治 ②志賀直哉 ③芥川龍之介 ④中里介山 ⑤谷崎潤一郎】(1886~1965)はその著書『陰影礼讃』において、闇のなかで眉剃り、お歯黒や玉虫色に光る青い口紅が白い顔をいかに浮かび上がらせるか、能や文楽人形との相似からの解明を試みている。

Dはやや難か。Eは「耽美的作風」や「その著書『陰影礼讃』」から正解を導きたい。

解答 D ③  E ⑤

2019年4月23日 (火)

比喩について

比喩とはたとえのことで、主に以下の三つがあります。

直喩(ちょくゆ)=「ようだ」「みたいだ」などの語を用いて、二つの事物を直接比較して表現する方法。

例:「雪のように白い」

隠喩(いんゆ)=「ようだ」「みたいだ」などの語を用いず、そのものの特徴を他のもので表現する方法。

例:「男はみんな狼だ」

擬人法 =人ではないものを人にたとえる方法。

例:「空が泣いている」

比喩のポイントは、「何を何にたとえているか」と「共通点」です。共通点がなければたとえとして成立しないのですから、当たり前といえば当たり前なのですが、なぜか後者の視点は見落とされがちなので気をつけましょう。

2018年12月15日 (土)

文明と文化

物質的文化と制度的文化を合わせて文明と呼びます。これに、精神的文化を加えたものが文化。

その時代時代の最先端を行くのが文明で、そうでないものに光を当てたのが文化だとも言えます。

すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる。そういうものです。してみると、無駄こそ文化だと言えるのかもしれません。

 

2018年12月13日 (木)

最速、最年少での100勝到達

将棋の藤井聡太七段は12日、東京都渋谷区の将棋会館で指された銀河戦本戦トーナメントEブロック5、6回戦を連勝し、通算100勝(18敗)に到達しました。

達成年齢の16歳4カ月23日は、永世称号獲得者及び中学生棋士の範囲内で羽生善治・現竜王(48)の17歳6カ月20日を更新し最速、最年少記録。100勝時点での勝率・847も1位。

藤井七段は「公式戦で通算100勝を達成することができ、これまでの一局一局の積み重ねで、こうした100勝というひとつの区切りに達したことを、感慨深く思っています」と笑顔を浮かべました。

この若さでこれだけの成績を残しながら、少しも驕ったところが感じられない。素晴らしいと思います。この先どこまで強くなるのか、とても楽しみですね。

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