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2020年5月 4日 (月)

『弁慶』

『弁慶』(原題『はりきり弁慶』)は、月間の少年マンガ雑誌界で別冊付録のブームがおこった時代に、その中の1冊として描き下ろされた作品です。

内容はもちろん手塚治虫の創作なのですが、比叡山の延暦寺を追い出された弁慶が、通行人から1000本の太刀を奪おうとして、五条大橋で義経と初めて出会うエピソードや、「ひよどりごえの逆落とし」で有名な、義経が平家に大勝した「一ノ谷の戦い」など、重要なポイントはきちんとおさえてあります。また、源氏が平家を滅ぼした「壇ノ浦の戦い」などは逆にバッサリと切られてナレーションで処理されており、何とも大胆な構成でまとめ上げています。

そしてこの作品におけるハイライトは、何といってもやはりクライマックスの関所越え。歌舞伎の中でも特にポピュラーな「勧進帳」がベースになっており、私などはこの作品で「勧進帳」を知りました。

1950年代の作品ではありますが、絵・構成ともに絶頂期にあった手塚治虫の勢いが感じられる傑作であり、ためになるマンガでもあると思います。

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