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2019年11月

2019年11月30日 (土)

歴検と文学①

今年の歴検日本史2級で、次のような問題が出題されました。

問 下線部(小説家)に関連して、次の作品で知られる小説家の名前として正しいものを、あとの①~④のうちから一つ選べ。

■1906年に出版された作品の一部
 蓮華寺では下宿を兼ねた。瀬川丑松が急に転宿を思い立って、借りることにした部屋というのは、其蔵裏つづきにある二階の角のところ。

■1929年から連載が始まった作品の一部
 木曽路はすべて山の中である。あるところは岨(そま)づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり……。

① 田山花袋  ② 島崎藤村  ③ 永井荷風  ④ 谷崎潤一郎

「瀬川丑松」から『破戒』、「木曽路はすべて山の中である」から『夜明け前』だとわかるが、これが日本史の範疇に入るかどうかは微妙。日本史を日本史の勉強だけで終わらせず、どこまで興味・関心の幅を広げているかが問われた問題だと言えよう。

解答 ②

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2019年11月29日 (金)

歴検1級の試験中に気をつけること

歴検1級は時間との戦いでもあります。そこで、私が1級の試験中に気をつけていることについて述べてみたいと思います。ぜひ参考になさってください。

1 まずは終わらせることを最優先する

 迷うこともありますが、その問題に時間をかけすぎずに、まずは一通り終えることを最優先しています。迷った問題の横に何かしらの印をつけておいて、時間が余れば再検討することもありますが、これができるほど時間が残ることはめったにありません。

2 リード文を熟読しない

 リード文をじっくり読まない方がよいでしょう。これを真面目に読んでいると、間違いなく時間が足りなくなると思います。復習する際には熟読してよいですが、試験中は各設問を解くのに関係ある部分だけ読めばそれで十分でしょう。

3 「正しい」選択肢を選ぶのか、「誤っている」選択肢を選ぶのか間違えないようにする

 正誤問題で間違えがちなのがこれです。正誤どちらを選ぶのか、問題文中に下線を引くくらいの慎重さが必要です。私は、各選択肢にも誤っている(と思われる)箇所に下線を引くようにしています。

4 論述問題の解答をいきなり答案用紙に書かない

 問題をよく読み、盛り込むべき内容をメモしたり下書きをしてから、答案用紙に書くべきです。その方が時間のロスを少なくできるでしょう。

5 自分の答えを問題用紙にも残しておく

 これは必須ではありませんが、私は、試験後に自己採点するため、記述問題・論述問題も含め、自分の答えを問題用紙に残すようにしています。しかし、自己採点をしない人や、記述・論述問題まで残していたら時間が足りなくなるという人はやらなくてよいと思います。


6 最後まで問題を解き終わった時点で最初から問題用紙の自分の解答と解答用紙マークが一致しているか確認する

 誤ってマークしていたり、ずれてマークしていることはまずないと思いますが、時間が少しでも余ったら、見直しも兼ねてやった方がよいでしょう。

 

2019年11月28日 (木)

「ローマ教皇」か「ローマ法王」か

キリスト教のカトリックの最高指導者であり、バチカン市国の元首でもあるのは、「ローマ教皇」でしょうか。それとも、「ローマ法王」でしょうか。

1981年のヨハネ・パウロ二世以来38年ぶりのローマ教皇フランシスコの来日に際して、これまでの「ローマ法王」から「ローマ教皇」に日本政府としての正式な呼び名が変更されました。

1942年に日本とバチカンの国交が樹立された際には、宗教的な最高指導者として仏教などでも使用例がある「法王」という訳が採用されたのですが、日本のカトリック教会が、「王」という響きよりも「教える」という字がある「教皇」の方が職務の内容にふさわしいということで、「教皇」という呼び名を採用していることに配慮したということのようです。

ですから、今後は「教皇」の呼称が一般的になっていくのでしょうが、「法王」という呼び名も間違いではありません。

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2019年11月27日 (水)

ど忘れにどう対処するか

記憶は保持できているのに、何かのはずみでうまくそれを取り出せない。これがど忘れの正体です。

記憶は保持できているのだから問題ないのかもしれませんが、できればど忘れはしたくないもの。特に、試験中にど忘れが出てしまったら焦ってしまいます。

様々な形でアウトプットを繰り返す。ど忘れを防ぐ方法はこれに尽きると思いますが、それでもど忘れしてしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか。

実は、我々の意識ではターゲットのみを暗記したつもりでも、ターゲットと一緒に存在した様々な情報もともに符号化され、ひとつのエピソード記憶を構成しています。ですから、ターゲットを想起しようとする場合、ターゲット以外の部分が検索手がかりとなることが多い。「台所にあるジュースを取ってきて」と頼まれたのに、台所に行ったら用件をど忘れしてしまった。そこで、もう一度リビングに戻ったら、急に何を頼まれたか思い出した、などという経験がありませんか。これがヒントになります。

出てこない人の名前、英単語の意味、それ自体ではなく、それを記憶した場所や時間などを思い出してみましょう。何か手がかりになることがあるはずです。

 

2019年11月26日 (火)

歴史小説をすすめたい

マンガは速く読めてしまう割に値段が高い。小遣いに不自由していないのならよいでしょうが、皆が皆、そういうわけにもいかない。その点、活字の本の方がマンガよりコストパフォーマンスが高いと言うことができます。

歴史に少しでも興味がある人には歴史小説をすすめたい。おもしろいし、ためになるし、力が湧いてくる。しかも、歴史小説は基本的に長編だから読みごたえもある。

歴史小説といっても何を読んだらよいかわからないというなら、まずは司馬遼太郎作品から入るとよいでしょう。司馬作品ならはずれはないと断言できます。

『竜馬がゆく』や『坂の上の雲』は長すぎる(それでも読み始めたら、おそらく止まらなくなると思いますが)と感じるのなら、司馬遼太郎の本にしては短い『新選組血風録』や『燃えよ剣』あたりから読み始めたらどうでしょう。歴史小説ファンになること請け合いです。特にあなたが男なら。

2019年11月25日 (月)

2019年歴検日本史1級を受けての感想

2級に続いて1級日本史の感想を述べます。

今年も早慶以上、国立二次試験並みという1級らしいレベルを保っていましたが、合格率が16.1%と低かった昨年よりは易化したように感じました。ですから、合格率は上がると思います。20%以上にはなるのではないでしょうか。

自己採点をしてみました。論述問題の採点次第ですが、85点前後になりそうです。合格は問題ありませんが、90点以上をクリアできなかったという意味では反省が残ります。

それなりに時間を捻出して準備してきたつもりでしたが、まだ甘かったようです。知識の精度をもっと高めていかなければなりませんし、それに裏打ちされた確かな判断力も必要。課題が見つかるということはまだ伸びる余地が残されていることだと前向きにとらえ、今後も勉強を続けていこうと思います。

2019年11月24日 (日)

2019年歴検日本史2級を受けての感想

歴史能力検定を受けてきました。

歴検は、試験時間が重複しない場合、異なる級を同日に受験することができます。私は、今年も昨年同様、1級と2級のダブル受験でした。

まずは2級日本史の感想から。

今年もセンター試験を少し上回る2級のレベルは保たれていました。ただ、近年の中では割と素直な正誤問題が多かったように感じたので、合格率は昨年の25.1%よりは上がるのではないかと思います。

自己採点をしてみました。100点でした。もし満点を達成できていたら、2級を受けるのはこれで最後にしたいと思います。しかし、過去に自己採点では100点だったものの、返されてみたら98点だったということがあったのでまだ楽観はできません。

結果が来るのは来年の1月半ば。自己採点通りであることを祈っています。

2019年11月23日 (土)

全国の歴検受験者の皆さん、お互いに頑張りましょう!!

明日は歴史能力検定の実施日。私は仙台で受験します。

全国の歴検受験者の皆さん、お互いに頑張りましょう!!

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2019年11月22日 (金)

高校受験がゴールではない

高校受験が終わったと同時に通塾をやめる中学生が一定の割合でいます。人それぞれの考えがありますから、何とも言えないところではありますが、高校受験を突破するためだけだったら、大半の人は塾なしでもいけるのではないでしょうか。

高校に入ったはよいものの、その後に低迷してしまうようでは、何のために高校に進んだのかわかりません。その高校に進んだのは、それがゴールなのではなく、大学進学や希望の職業に就くためだったのではないでしょうか。ですから、重要なのはむしろ高校に入ってからだと思います。

大学受験は、範囲の広さも難度も、高校受験の比ではありません。「3年生になってから頑張ろう」では遅いというのが現実です。加えて、今の中学生は来年度から始まる新入試(難化が予想される)の対象となります。そういう意味でも、早めの準備が肝要です。

また、大学進学を考えていない場合でも、高校の成績が良い方が有利なのは言うまでもありません。もし大企業に高卒で就職できたら、中小企業に勤める大卒者よりも生涯賃金が高くなる場合もあるくらいです。これは一つの例にすぎませんが、いずれにしても、学習に対するモチベーションを失わないことが成功の鍵です。

通塾を続けるにしろそうでないにしろ、何のために高校に入ったかという大本のところを絶対に忘れてほしくないと思います。

2019年11月21日 (木)

戦わずして勝つ

『孫氏の兵法』「謀攻篇」に次のような一説があります。

百戦百勝は善の善なるものに非ず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり。

百回戦って百回とも勝利するというのは、普通に考えれば良さそうな話だが、孫子は、戦わずに勝つことを善の中の善だと説きました。もちろん戦争であるからには勝つことが要請されます。『孫子』というのは、そもそも勝つための方法をあらゆる角度から分析し、検討した本です。しかし、戦争はあくまで手段であって目的ではありません。目的が達成されるならやらないで済むに越したことはないのです。戦争には莫大な費用がかかります。また、戦って勝てば敵よりも損害は少ないでしょうが、無傷というわけにはいきません。そこから、「百戦百勝は最善ではない。戦わないで勝つことがベストだ」という認識が生まれてくるのです。

では、戦わずして勝つためにはどんな方法があるのでしょうか。それは、外交交渉や謀略活動をうまく利用することでしょう。さらにいえば、国力を充実させ、防衛力を強化しておけば、相手に初めから「とてもかなわない」と、戦うことを断念させることができるでしょう。

個人の場合でいうなら、圧倒的な実力を身に付けるか、それが難しいなら、いかにして独自化が図れるかがポイントとなるでしょう。

2019年11月20日 (水)

歴検1級受験を考えている方のために ~論述問題編⑦~

2015年の歴検日本史1級で、次のような問題が出題されました。

江戸幕府の株仲間政策について述べた次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

(略)

 江戸時代の株仲間は単に利益を独占的に貪るだけでなく、幕府などから特権商人として流通などの独占を認められるかわりに、商品の安定供給を維持する点で重要な役割も果たしていたと考えられている。凶作などの影響で物資の流通にしばしば極端な変動が生じていた時代にあって、株仲間が存在することの社会的な意義は決して小さなものではなかったといってよいだろう。
 天保の改革の際に発せられた株仲間解散令は、こうした株仲間の持つ意義・役割を半ば無視した政策だった。また、この時期になると、農村工業の発達や新興商人の台頭によって株仲間の流通独占はむしろ弱体化の傾向が顕著になっていた。
 老中の水野忠邦は、株仲間解散令により(   )。そのため嘉永期にあたる1851年、幕府は株仲間の再興を許すことになる。・・・

問 空欄の前後をよく読み、ここにあてはまる幕府の株仲間政策の意図と結果を、60字以内で説明せよ。

株仲間解散令の意図は物価の引下げと幕府による流通統制であったが、かえって流通を混乱させ、物価は高騰した。

空欄の前後もよく読んで答案作成の参考にしましょう。論述問題には読解力もいるのです。

(解答)
自由な商取引を可能にすることで物価の引下げをねらったが、江戸への商品供給は減少し、かえって物価は高騰した。

  

2019年11月19日 (火)

2019年度冬期講習のお知らせ

Winter_text_illust_1262 一関学習塾の冬期講習のお知らせがホームページ上にUPされています。

今回は新聞折込をしません。塾生以外で興味のある方がいらっしゃいましたら、ホームページをご覧いただくか、直接お問い合わせください。

席には限りがございます。希望者はお早めにご連絡ください。よろしくお願いいたします!!

【連絡はこちらへ】
一関学習塾 0191-48-3897
        一関市大町7-7ニューよこや1F 

2019年11月18日 (月)

わかることを重視してください

歴史能力検定1・2級では、高等学校用日本史教科書の全範囲を対象に、その背後にある世界をも射程に収めた問題が出題されます。

覚えることなしに成立する学問は存在しません。ですから、日本史に限らず、覚えなければならないものは覚えなければならないのですが、丸暗記一辺倒の勉強はあまりすすめられません。そうしたやり方では全範囲をカバーすることがそもそも困難ですし、歴史の持つ多様な連関を遮断してしまうことになりかねません。そして、何よりおもしろくない。

暗記のみの勉強は労多くして得るところの少ない勉強だと言わざるを得ません。わかることを重視してください。あるいは、完全理解は難しくてもわかろうとしてください。この姿勢さえ崩さなければ、歴史のイメージを描くことができるようになり、多くの知識を有機的に結びつけられるようになるでしょう。そのような勉強が暗記の負担を軽減するとともに、長期記憶を可能にします。それは必ずあなたの実力を支えてくれますし、もっと言えば、受験後もあなたを助けてくれる力となることでしょう。

2019年11月17日 (日)

人間教育

幕末、外敵の研究を企図して黒船にもぐりこんだ吉田松陰は捕らえられて入獄の身となりました。この時11人の囚人がいましたが、驚くべきことに、松陰はそこをお互いの教育の場としました。松陰自身は自らの得意とする四書五経の講義を行うとともに、俳諧に詳しい者には俳諧を、書道に秀でた者には書道を教えさせ、自分もそれを学ぶようにしたのです。絶望的な雰囲気だった獄内は一変しました。それが藩当局の認めるところとなり、最終的には全員が解放されるに至ったといいます。

牢に入れられてなお志を失わないということだけでもすごいことですが、その上に松陰は同囚の人々の教育まで行った。互いに教えあい、学びあう中で、人々が獄中生活で見失っていた、生きる意味、人間としての価値といったものに目覚めさせていった。それは真の意味での人間教育だったと思います。

こうしてみると、松陰の松下村塾から多くの維新の志士たちが生まれたのは決して偶然ではなかったといえるでしょう。

巨人の川上哲治監督は勝利への執念を燃やす一方で、「プロの選手として働ける時間は短い。ほとんどの選手はその後の人生のほうが長い。ほかの社会に入っても、さすがはジャイアンツの選手だといわれるように、バカにされない人間にしておきたかった」と、人間教育にも力を入れました。当時の巨人が前人未到の9連覇を成し遂げ、他球団から目標とされる球団だったのもうなずけます。

ただ知識を与えればいい、ただ勝てばいいというのは違うと思います。本人の素質や努力はもちろんですが、人間教育によってそれらが大きく花開くのではないでしょうか。


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2019年11月16日 (土)

公中検模試12月号のお知らせ

一関学習塾から小学6年生の皆さんにお知らせです。

当塾では、12月7日(土)の10時30分から、小6生対象の公中検模試を実施いたします。一関一高附属中学校の適性検査と似た形式の試験です。これが本番前最後の模試になります。附中を志望される方は、本番のシミュレーションの機会としてぜひご活用ください。

なお、塾生以外でも受験可能です。希望される方がいらっしゃいましたら、お早めにご連絡ください。

【連絡はこちらへ】
一関学習塾 0191-48-3897
        一関市大町7-7ニューよこや1F 

2019年11月15日 (金)

詰将棋と一問一答は似ている気がする

今年の歴史能力検定の実施日(11月24日)が近づいてきました。受験される方は今、最後の仕上げの段階に入っていると思います。

私に関していうと、歴史に関する本を読んだり、大学入試や受験する1・2級の過去問演習をしているのは例年通りですが、今回はこれまでほとんどやっていなかった一問一答にも力を入れています。Z会のものですが、3周して試験日を迎える形になるでしょう。

大学入試でも歴検でも、レベルが上がれば上がるほど、単純な一問一答が出ることはほとんどありません。にもかかわらず、一問一答に取り組んできたのは思うところあってのことです。

思考する場合も、ベースとなる知識は多く持っていた方がよいのは言うまでもありません。また、各時代のまとまった知識について抜けがないかチェックしたり、知識の精度を上げるのに一問一答は向いています。

上級者になると、一問一答を簡単なものとして省略したり、軽く扱ってしまいがちですが、それは違うのではないか。例年とあまり変わらない準備では、2級満点や1級トップ合格は難しいのではないか。そう思い至ったのです。 

詰将棋と一問一答は似ている気がします。重視する人がいる一方で、詰将棋は不要と言う人もいる。その理由は、「詰将棋のような手順は実戦に出てこないから」というもの。たしかに一理あるのかもしれませんが、詰将棋には、集中力や終盤力を養うなどの詰将棋ならではの良い点もあります。初心者にとって必須なところも一問一答と一緒。

結果はどうなるかわかりませんが、今年の歴検はこれまで以上に基本を重視して臨みたい。そうすることで、瞬間的な判断力やギリギリでの判断力をわずかでも上げられるように思うから。

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2019年11月14日 (木)

歴検1級受験を考えている方のために ~論述問題編⑥~

2018年の歴検日本史1級で、次のような問題が出題されました。

 下線部(平清盛)に関連して、次の史料は平清盛がおこなった遷都に関するものである。史料中の「この京」と「嵯峨の天皇」の関係は史実としては誤りであるが、嵯峨天皇の時代におこった事件の性格から、史料の作者である鴨長明が「嵯峨の天皇の御時、都と定まりにける」と認識していた可能性があるとされている。この鴨長明の認識について、「この京」の名称、事件の名称、事件に関わった式家の兄妹の名前を具体的にあげながら、80字以内で説明せよ。

 また、治承四年水無月の比、にはかに都遷り侍りき。いと思ひの外なりし事なり。おほかた、この京のはじめを聞ける事は、嵯峨の天皇の御時、都と定まりにけるより後、すでに四百余歳を経たり。ことなるゆゑなくて、たやすく改まるべくもあらねば、これを世の人安からず憂へあへる。実にことわりにも過ぎたり。されど、とかくいふかひなくて、帝より始め奉りて、大臣・公卿悉く移ろひ給ひぬ。                                               (『方丈記』)

鴨長明の認識について、①「この京」の名称、②事件の名称、③事件にかかわった兄妹の名前を具体的にあげながら説明する問題である。問題文にもある通り、長明は史実を誤認していたというより、歴史を深く見つめる目を持っていたと考えるべきであろう。

①は平安京、②は薬子の変(平城太上天皇の変)、③は藤原仲成・薬子であるが、80字以内でまとめるのが難しい。論述問題は字数が少ない方が難しいということを再認識させられる問題だといえる。

(解答)
平安京遷都は桓武天皇のときだが、嵯峨天皇は、藤原仲成・薬子が平城還都を目論んで起こした薬子の変を阻止。その後、平安京は都として定まったと、鴨長明は認識していた。

2019年11月13日 (水)

そういう季節です

附中選抜検査直前講習のお知らせセンター試験直前講習のお知らせが一関学習塾のホームページにアップされています。

そういう季節です。

2019年11月12日 (火)

スマホ長時間利用による悪影響

近年、『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)等で子どもの読解力低下が指摘されるようになりました。その原因として、スマートフォンが脳の前頭前野に悪影響を与えている可能性があるという気になる調査結果があります。

調査を行ったのは、ニンテンドーDS用ソフト「脳トレ」シリーズの監修者としても知られる東北大学の川島隆太教授。仙台市立小中学校の児童・生徒7万人を対象に追跡調査した結果、スマホの使用で明らかに学力が低下し、使用を中止するとまた学力が向上するということがわかりました。

なかでも、LINEなどメッセージアプリの影響が大きいようで、17年度の調査では、LINEなどを全く使用していない生徒の4教科の平均偏差値が50.8なのに対し、使用時間の長さに応じて偏差値は下がっていき、1日4時間以上使用している生徒の偏差値は40.6でした。

さらに恐ろしいことに、スマホを長時間利用すると、読書をした時に活発に働く前頭前野に、安静にしている時よりもさらに働かなくなる「抑制現象」が起き、健常児でも言語機能の発達に遅れが出ることがあるらしい。

前頭前野が担うのは、AIが苦手で、かつ人間が得意とする「思考」や「発想」です。AI時代を生き抜くために人間に最も必要とされる能力が、人間が生み出した機器によって衰えつつあるとしたら、これ以上の皮肉はありません。

スマホはテレビやゲームと同様、長時間でなければ悪影響が出ないこともわかっています。特に10代の皆さんは、1時間以内など利用時間を限ってスマホを使用すべきでしょう。それが難しいなら、最初から持たない方がよいかもしれません。

2019年11月11日 (月)

好き嫌い現代文

評論文などのロジカルな文章は、まず書き手の「感情」を読み取れ。

齋藤孝先生はこのアプローチを「好き嫌い現代文」と名付け、大学生を指導しているそうです。「目から鱗」でした。

人が何かを主張するとき、その手段が言葉であれ文章であれ、その裏には必ずその人の感情が張り付いている。いくら論理性を重視していても、感情は切り離せません。論理とは、感情による価値判断という土台があって初めて構築されるものだからです。

あれこれ理由をつけ、詳細なデータをそろえ、各方面の書物を引用し、難しそうに書き述べられていますが、すべての主張の基本となっているのは非常にシンプルな感情であることがほとんどです。

言われてみればいちいちもっともで、とても納得がいきました。

評論読解というと論理を追うことに終始しがちですが、筆者の根本的な「好き嫌い」の感情にも目を向ける。これまで無意識にやっていたのかもしれませんが、これからは意識してみようと思います。

筆者は結局のところ、この題材に肯定的なのか否定的なのか。要するに、好きなのか嫌いなのか。ここをきっちり押さえるだけで、大きく的を外さない解釈が可能になることでしょう。

2019年11月10日 (日)

再会

かつて塾に通っていた生徒の弟、妹が入塾したり、本人がまた塾に戻ってくるということがあります。ちょうど昨日、今日がそうでした。嬉しいと同時に、気が引き締まる瞬間でもあります。

勉強が好きな子はあまりいないかもしれませんが、塾の必要性を感じたときに真っ先に思い浮かぶ塾でありたい。生徒やその保護者さんの期待を裏切らない塾でありたいと願います。

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2019年11月 9日 (土)

塾で公中検模試11月号を実施しました

本日、塾で公中検模試11月号を実施しました。

今年の附中希望者は模試でも良い成績を残してきていますが、良くてもおごらず、たとえ悪かったとしても必要以上に落ち込まないことが大切です。模試はあくまで模試にすぎません。本番に活かしていければそれでよいのです。

これまでも練習してきましたが、直前講習・冬期講習を含め、これからさらに作文や総合問題に取り組む機会が増えていきます。繰り返す中で時間配分や答案作成のコツを体得していきましょう。

定員数の減など、選抜検査も例年と変わるところがありますが、気にしても仕方ありません。気にする暇もないくらい、最後までできるだけのことをやっていきましょう。自信を持って本番の日を迎えられるよう、私もサポートしていきます。頑張りましょう!!

2019年11月 8日 (金)

指導者の条件

四六時中仕事をしていなければならないということは、もちろんありません。それでは体を壊してしまいます。ですから、休息したり、レジャーを楽しむということがあってよい。趣味に没頭したり、スポーツで汗を流したり、人に迷惑をかけない範囲内なら何をしたってよいと思います。しかし、心まで休ませ、遊んでいるようではいけません。

たとえ食事をしていようが、温泉につかっていようが、政治家なら政治のことを、経営者なら経営のことを、どこかしらで考えていなければならない。そうであればこそ、アルキメデスのように、お湯のあふれる様からも何かしらの問題解決のヒントを得ることができるのではないでしょうか。いわば、常に考えているからこそ見つかるのです。

全く遊びのうちに心を許してしまうようでは、指導者には向きません。指導者というのはそれだけ責任があるポジションですし、それが人の上に立つということだと思います。

2019年11月 7日 (木)

歴検1級受験を考えている方のために ~論述問題編⑤~

2016年の歴検日本史1級で、次のような問題が出題されました。

有田焼と佐賀藩について述べた次の文章を読み、あとの問いに答えなさい。

(略)寛永年間に酒井田柿右衛門が赤絵と呼ばれる独特の色絵付けに成功してから、さらに有田焼は発達し、17世紀後半から18世紀初頭の時期には輸出もさかんになり、佐賀藩の重要産業となった。
 1808年、イギリスの軍艦が長崎に侵入し、オランダ商館員を人質にとって幕府に薪水・食糧を要求するフェートン号事件が起こった。佐賀藩と福岡藩は交代で長崎防備の任務を課せられており、フェートン号事件が発生した年は、佐賀藩の担当であった。このため、この事件ののち、長崎奉行の松平康英は切腹自殺し、佐賀藩主の鍋島氏も処罰された。
 1830年に佐賀藩主となった鍋島直正は藩財政の立て直しをはかって、緊縮財政方針をとり、参勤交代の随員を減らすなどの倹約政策を推進した。また、均田制を実施し、本百姓体制の再建をめざした。
 直正のもとで、佐賀藩における洋式技術の導入は、1840年に勃発したアヘン戦争の情報を入試したのちに加速した。やがて佐賀藩では、19世紀半ばには、大砲を製造するための反射炉建造に成功した。反射炉建造に必要な高熱に耐える煉瓦などは、藩内で生産された。・・・

 下線部に関連して、佐賀藩が日本で最も早く反射炉建造に成功した理由として考えられることを、問題文に示されたもののほかに指摘できる鍋島直正の政策、幕藩体制下における佐賀藩の任務、佐賀藩内の在来産業と関連づけて、80字以内で説明せよ。

佐賀藩が日本で最も早く反射炉建造に成功した理由について、①問題文に示されたもののほかに指摘できる鍋島直正の政策、②幕藩体制下における佐賀藩の任務、③佐賀藩内の在来産業と関連づけることを条件とする論述問題である。

①は有田焼(陶磁器)の専売制→建造費、②は問題文の「長崎防備の任務」「佐賀藩における楊漆器技術の導入……加速した」→西洋に対する危機意識が高かった、③は有田焼(陶磁器)の生産、「反射炉建造に必要な高熱に耐える煉瓦などは、藩内で生産された」→反射炉建造の技術に有田焼(陶磁器)生産の技術が貢献、といった点を80字以内でまとめればよい。

「与えられた問題文や史料(または資料)から必要な情報を拾い上げ、題意に沿って解答を組み立てる」という設問形式は、東大日本史のそれと似ています。相関関係が薄いように思われるものを考察して結びつけさせるこの問題は、1級らしい良問といえるでしょう。

(解答)
佐賀藩は長崎警備役に任じられていたため、西洋に対する危機意識が強かった。また、有田焼の専売制による利益や有田焼発達に伴う技術の進歩が反射炉建造を可能にした。

 

2019年11月 6日 (水)

現場を知らずに弄ぶのはやめていただきたい

東京オリンピックのマラソン・競歩の会場が札幌に変更になりました。

かねてから東京の猛暑は大きな課題とされており、1964年の東京オリンピックも、気候を考えて10月になったという経緯があります。

ただ、「商業五輪」化し、巨額な金が動く現在は、アメリカの放送権料の都合を考慮し、夏場の開催から時期をずらせないことになっています。だから根本を言えば、IOCそのものが「選手ファースト」の姿勢にないことは指摘できます。加えて、ここまで東京での開催を前提に準備を進めてきた現場の関係者、強化を図ってきた選手や周囲のスタッフの努力は、いったん水泡に帰すことになる。

それでも、札幌に変更する案の方が理があると言わざるを得ないでしょう。たしかに札幌でも暑い日はあります。しかし、割合を考えれば、東京より気温が低い日が多く、湿度も低い。なにより、他でもない選手たちから東京での競技開催については懸念が出ていました。たとえば、日陰のないコース設定に対し、競歩の選手から「できるなら、コース変更を」という声が上がっていました。

大学入学共通テストにおける英語の民間検定試験導入が延期された件もそうですが、一部の人たちが現場を知らずに弄ぶのはもうやめにしていただきたい。切にそう思います。

2019年11月 5日 (火)

J-POPの歌詞は身近な教材になりえる

すべてにあてはまるわけではありませんが、J-POPの歌詞は身近な教材になりえます。

J-POPの歌詞は比喩表現や婉曲表現の宝庫です。歌詞を含めた詩には、自分の感情を直接的に表現しない、という暗黙のルールがある。だから、ストレートな表現を使わずに自分の気持ちをどう表現するかの勉強になるのです。

加えて、歌詞は分量的な制限もあるため、余分な言葉は削ぎ落とされてシンプルに書かれています。つまり、余白が多い。その分だけ想像力の入り込む余地があり、多様な解釈が可能です。ここの歌詞はこういう意味ではないかと、色々思いを巡らせてみるのもおもしろいと思います。

さらに、J-POPの歌詞は小説などと比べて現実的な世界を描いていることが多いため、共感能力を養うのに適しているといえます。自分自身の経験と重ね合わせていけば、曲の理解を深めていくことができるのではないでしょうか。

BGMとしての音楽も悪くはありませんが、時には歌詞カード片手に、想像力や読解力を働かせてみるのもよいかもしれません。

 

2019年11月 4日 (月)

馬場と猪木

自分とは違う個性や才能に出会うことで、自分を発見するということがあります。アントニオ猪木にとってのジャイアント馬場は、まさにそういう存在だったように思います。

元巨人軍の投手で、身長2メートル9センチという日本人離れした体格。存在そのものが問答無用で人に伝わる。デビュー戦での勝利や、デビューからわずか10か月でアメリカ遠征へ出されたことからもわかるように、力道山は「自分の次は馬場だ」と考えていたと思います。

「なんで馬場より格下なんだ!!」「なんでプロレスは世間からバカにされるんだ!!」

馬場にはない危険な強さを磨くことにより、猪木は猪木になっていきました。おそらく馬場がいなければ、ストロングスタイルも、異種格闘技戦もなかったろうと思います。ということは、その延長線上にある日本の総合格闘技も、あるいは生まれていなかったかもしれません。

自分とは違う個性や才能に出会ったとき、人は落ち込んでしまいがちです。しかし、落ち込んでいても状況は変わりません。それよりも、素直に相手の長所を認め、自分は別のところで勝負する。その方が道が開けるのではないでしょうか。

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2019年11月 3日 (日)

中学の中間・期末テスト・高校の定期考査に向けて

2_20191102193401 一関学習塾からお知らせです。

中学の中間・期末テスト・高校の定期考査に向けて、下の日時で塾を開放します。時間内であれば、何時に来て何時に帰ってもかまいません。各学校のテスト日程に合わせて、質問タイムやワーク等の演習の時間としてご活用ください。

料金はかかりません。兄弟、姉妹、お友達との参加も歓迎いたします。

【日程】
11月10日・17日(日) 午後3時~7時
11月23日(土)     午後2時~5時

【連絡はこちらへ】
一関学習塾 0191-48-3897
        一関市大町7-7ニューよこや1F 

 

 

2019年11月 2日 (土)

英語民間試験導入延期決定

来年度から大学入学共通テストに導入される予定だった英語の民間検定試験について、萩生田光一文部科学相は1日、閣議後の記者会見で、令和6年度めどに実施を延期すると発表しました。民間試験をめぐっては、高校現場や野党に加え、与党内からも延期論が出ていました。

実施に向けた準備が遅れる中、受験生の不安が高まっていることが考慮された形となり、率直に申し上げてよかったと思います。

「センター試験を廃止する必要はなく、あとは各大学が求める学力を個別入試で試す形でいいと思う。 英語の力を測りたいなら英語の教育カリキュラムを見直せばよいのでは?」というのが、周囲の高校生の大方の意見です。

文科省は従来型の受験学力を「知識偏重」として否定し、課題解決のために必要な思考力や判断力、表現力を中心とした「新しい学力」がないと大学には入れない、そういう改革を断行しようとしているようですが、これまでの入試ではこれらの力を測ることはできなかったというのでしょうか。私はそうは思いません。「新しい学力」の背景にある「生きる力」は、従来の受験勉強でも十分身に付けられる、というのが私の考えです。

入試改革によって「二極化」が一層進み、「努力しても無駄だ」のような諦めムードが広がることだけはないように願います。

2019年11月 1日 (金)

無用なトラブルを避けるために

アダム・スミスは『道徳感情論』という著書の中で、「社会秩序の基本となるのは人間の共感能力だ」と述べています。

人間は個人的な存在でありながら、同時に、他者は自分をどう見るかという視点も持っています。「こんなことをしたら人はどう思うだろうか」という他者の心情を慮る能力があるからこそ、社会は秩序を保てているという面があるのです。

他人の気持ちを考えることができないと、無用な誤解やトラブルを招いてしまいやすい。そんなつもりじゃなかったのに。こんなはずはない。このようなことを言わないですむようにしたいものです。

未然に誤解やトラブルを防ぐための危機察知能力を直接経験から磨いていくのも一つの手です。しかし、何かにつけて「〇〇ハラスメント」などと言われて大事に発展しやすい昨今の風潮を考えると、小説やドラマ、映画、あるいは、「人の振り見て我が振り直せ」的な間接体験から他者への想像力を養っていく方が安全。

他者の不快感情に鈍感だと、現代社会では致命傷になりかねません。お互いに気をつけたいものですね。

 

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