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2013年10月17日 (木)

ノ-ベル賞作家

1968年の今日、川端康成が日本人として初めてノーベル文学賞を受賞しました。

川端に関して好きな話があります。川端康成、宇野千代、丸谷才一の三氏による鼎談後の話です。丸谷氏の『男のポケット』の中からそのまま引用します。

わたしが、
「このあひだ、とてつもなく高い原稿料をもらひました」
と笑ひながら言った。
「いくら?」
と宇野さんが訊ねる。
「一枚二万円」
「まあ」
と宇野さんは驚いて、
「それは広告とか何かでございませう?」
「いいえ。A新聞の『私の近況』といふ短い文章。それを二百字書いたら二万円、ポンと送って来ました。二百字ですから、四百字で言へば半枚といふことになりますよね」
「どうしたんでせう?」
「コンピューターの間違ひですね。二千円のつもりが、機械が一けた間違へて……」
「お返しになりましたの?」
「返すもんですか。向うだって、面倒くさいことになって大変でせうから」
「まあ」
と宇野さんがあでやかに笑ったとき、黙って聞いてゐたノーベル賞作家が、ぽつりとつぶやいた。
「やはり間違ひでせうね」

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