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2013年5月

2013年5月31日 (金)

日本史は暗記科目?

日本史をしっかり得点源にできている人たちにとっては、日本史が単なる暗記科目でないことは共通理解となっています。しかし、世間一般には、いまだに「日本史はただ覚えるだけの科目だ」という迷信がはびこっているように思います。

2010年早稲田大学教育学部日本史からの抜粋。

次の文章を読み、問に答えよ。

資本主義の確立過程において、米作生産力の発展と養蚕業の普及によって「米と繭」を基軸とする農業構造が定着し、地主制は安定化した。だが、その下で、高率小作料の重圧に苦しむ小作農は農業だけでは生活できないため、娘やニ・三男を製糸・紡績・織物業などに出稼ぎに出さざるをえず、一方、繊維産業にとっては、農村からの大量の低賃金労働力を確保することが発展の条件となった。こうして( 1 )と( 2 )の相互規定関係が成立した。また、大地主制が小作料収入を株式や公債などに投資することが一般化し、資本主義と地主制は資本と賃労働の両面において構造的に結びつくに至ったのである。

問 空欄( 1 )と( 2 )に入る語を本文中から選んで記入せよ。

一見して、この問題は、「用語を覚えておいて、空欄を埋める」類いのものではないということがわかると思います。この問題で求められているのは、そのような記憶力ではなく、「資本主義と寄生地主制の関係」に対する理解と読解力です。

寄生地主制の下で、高額現物小作料に苦しめられていた小作農は、子女を口減らしあるいは家計補助のために製糸工場などの繊維工場へ出稼ぎに出さざるをえませんでした。こうした農村出身の、低賃金で長時間働く女子労働力のおかげで、安価な生糸などの繊維製品が生まれ、それを輸出することによって外貨を獲得し、日本の資本主義は発展していったのです。

まずは、「資本主義と寄生地主制の関係」に対するこのような理解があることが前提です。その上で、空欄直前にある「こうして」に着目すべきです。「こうして」は前文を受けているので、前文にある語句の中から「相互規定関係」にある組み合わせを探せば、「高率小作料」と「低賃金労働力」の組み合わせしかないということがわかります。

解答 1 高率小作料  2 低賃金労働力

この問題は難問ではありますが、日本史の真っ当な勉強法を示唆しているという点で良問だといえます。日本史の勉強といえば、一問一答集を使って用語をひたすら覚えることだと思い込んでいる人は、早くそのやり方から抜け出た方がよいでしょう。一問一答集を使うことが悪いとはいいませんが、そればっかりだと、センター試験ですら高得点を取るのは難しいと思います。

2013年5月30日 (木)

赤本の使い方

大学入試の過去問を大学別・学部別に編集した本が赤本です。この赤本を「直前期の力試しとして使う」という発想しかない受験生がいます。

もちろん、入試本番に慣れるため、12月以降に時間を計って解くというのが間違いというわけではありません。ぜひやるべきです。しかし、赤本をそのような使い方しかしないというのはあまりにもったいない。また、一番下手なやり方です。

赤本は「力試し」だけでなく、志望校の出題傾向を知るために使うべきです。前もって、自分の志望校には論述問題がある、英作文がある、といったことを知っていれば対策が立てられますし、そういう心がまえで勉強していけます。直前期に赤本に取りかかって、そこで志望校の傾向を知ってももう手遅れなのです。このような悲劇を避けるためにも、志望校はできるだけ早く決めるべきです。

志望校の赤本が出たらすぐ買ってください。この時点で解ける問題はそう多くないと思いますが、むしろそれが普通です。できない問題には自分の「守備範囲」が広がってから取り組めばよいのです。とにかく、答えと照らし合わせながらでかまわないので、志望校の難易度を体感し、頻出分野や配点等を知ることが大切です。その上で、受験勉強の方針をしっかり固めましょう。

どこに向かって走ればよいかわからないうちは走り出すことはできません。ゴールが明確にわかっているからこそ、気持ちを切らすことなく長い受験勉強を乗り越えることができるのです。

2013年5月29日 (水)

新説・二足歩行

人類はどのようにして二足歩行を始めたのでしょうか。

気候変動により森の木の数が減少したため、やむを得ず森を出、二足歩行をするようになったというのが通説とされています。

しかし、この通説に異を唱える研究論文がイギリスの考古学専門誌に発表されました。それによれば、数百年前、アフリカ東部および南部で発生した火山噴火と地殻プレートのずれによって形成された岩だらけの地形が、二足歩行を始めるきっかけになったとのこと。岩場は平原に比べ、より直立した状態を必要とするからです。

説得力があると思うのは、起伏の多い岩場は捕食動物から逃れる避難場所にもなりうるということです。人類は自然の中ではとても弱い存在。それなのに、足が特別速いわけでも、空を飛べるわけでも、頑丈な甲羅があるわけでもありません。これでは、木から地上に移動したとき、どうやって肉食獣から身を守るというのでしょうか。

新説は、長年のこの疑問にも答えを出しているという点で非常に興味深いと思いますが、皆さんはどうお感じになりますか?

2013年5月28日 (火)

負けないで

5月27日は、ZARD坂井泉水さんの命日。7回忌を迎えた昨日、東京・中野サンプラザでメモリアルフィルム・コンサートが開催されました。

あの不慮の事故からそんなに時間が経過したんですね。ZARDのヒット曲はたくさんありますが、その中でも、私は『負けないで』に特別の思い入れがあります。というのは、この曲が発売された年が私の大学受験の年と重なるからです。だから、歌詞が余計に胸に迫りました。この曲に随分勇気づけられたことを覚えています。私と同世代の方なら、同じような経験をした方が多いのではないでしょうか。

故人の冥福を改めてお祈りいたします。

 

 

 

 

2013年5月27日 (月)

公中検模試・白ゆりテスト

一関学習塾では、公中検模試(公立中高一貫校対策)と白ゆりテスト(岩手県高校入試対策)のパンフレット(各回の範囲表付き)を配布しています。塾前に置いてありますので、興味のある方はお持ちください。

どちらも当塾で受けることができます。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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2013年5月26日 (日)

大学を選ぶ際には

大学を選ぶ際には、自分の「将来の夢」をもとにして、それを叶えることができそうな大学・学部を選ぶようにしましょう。たとえば、医者や弁護士など国家資格を必要とする場合はその専門性を身に付けられる学部に行く必要があります。教員や公認会計士は、特定の学部に行かなければならないというわけではありませんが、その資格をとりやすい学部があります。

将来の夢が定まっていない場合でも、気になる大学、知っている大学のホームページや過去問をチェックしてから決めるようにしましょう。決して大学や学部の名前だけで判断しないこと。どこに力を入れている学部・学科なのかなど、その中身を知ることが大切です。オープンキャンパスに参加して雰囲気を肌で感じたり、実際にその大学に通う先輩に、どうやってこの学部に決めたのか、あるいはどうやって将来の進路について考えたか、聞いてみるのもよいかもしれません。

また、お金の面も無視できない大切なポイントです。その点についても、事前に両親としっかり話をしておきましょう。

 

2013年5月25日 (土)

水沢(現・奥州市)の人にとって、Zといえば、宇宙恐竜ゼットンでも、マジンガーZでも、ももいろクローバーZでもありません。地球物理学者木村栄のZ項です。

木村は、田中館愛橘博士に地球物理学を学びます。1899年、岩手県水沢の緯度観測所初代所長に就任。そこで地球の緯度変化の観測を続け、1902年にZ項を発見しました。Z項とは、自転軸の傾きに関する方程式に加えられたZのことで、別名木村項ともいいます。

木村博士の業績を称え、奥州市水沢区では「Z」の文字を色々なところに使っています。奥州市文化会館はZホール、水沢総合体育館はZアリーナ、奥州市コミュニティバスはZバスというんだZ!!

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2013年5月24日 (金)

一関中学校の校歌

私が中学生の頃、一関中学校では5分前行動を推奨していました。登校時間になると校歌が流れます。それが終わるまでに昇降口に入らないと遅刻というわけです。だから私は校歌を聴くと、パブロフの犬のように反射的に、「急がなきゃいけない」、「走らなきゃいけない」という気分になったものでした。

関中の校歌は大木惇夫の作詞です。合唱で人気の『大地讃頌』の作詞者といえばわかるでしょうか。作曲者は、音楽だけでなく日本史の教科書にも載っている山田耕筰。童謡をはじめ数多くの作品を残しただけでなく、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮するなど国際的にも活躍し、欧米でも名前を知られた最初の日本人音楽家です。

それにしても、どうしてこのように著名な二人が、縁もゆかりもないであろう、一関中学校の校歌を作ることになったのでしょうか。OBでありながら知らないのは恥ずかしい限りです。どなたかご存知の方いらっしゃいますか?

2013年5月23日 (木)

『奇跡のリンゴ』

『奇跡のリンゴ』が映画化され、6月から劇場公開が始まります。映画をご覧になる前に、をまだ読んでいない方にはぜひご一読をお薦めします。

この本の主役木村秋則さんは、絶対不可能と考えられていたリンゴの無農薬・無肥料栽培に挑戦し、見事それを成し遂げます。しかし、そこに至るまでの道程は決して生やさしいものではありませんでした。

何年かかってもどうしてもうまくいかず、追い詰められ自殺を決意して登っていった山中で、木村さんはあるものを目にします。そして、そこで重大な気づきを得るのです。その瞬間、木村さんの長い長い苦労はやっと報われるのでした。

非常に劇的で、感動的な実話です。詳しくは本をお読みください。リンゴ栽培の本ですが、どんな職業、どんな立場の人でも必ず得るものがあることを保証します。

世界を変えたリンゴ。

アダムとイブのリンゴ。

ニュートンのリンゴ。

木村秋則のリンゴ。

2013年5月22日 (水)

『宇宙兄弟』名言

Uchu_17_1280_8ローラが出演するアサヒビールの新商品「アサヒふんわり」のCMをご覧になった方も多いことでしょう。

あのCMは、ローラのかわいさが印象に残ります。が、それ以上に印象に残るのが、マンガ『宇宙兄弟』作中から選ばれた「迷ったときはね、どっちが正しいかなんて考えちゃダメ。どっちが楽しいかで決めなさい」というセリフ。第2弾では「悩むならなってから悩みなさい」というセリフも登場しました。

他に、『宇宙兄弟』の中から、個人的に好きなセリフを紹介します。

「ネクタイを締める理由なんてのは1コしかねぇ。仕事が無事終わった後に゛緩める″ためだ」

「また積めばいいよ。次はもっと上手く積めるようになってるよ」

「It’s  a  piece  of  cake!」(楽勝だよ!) 

2013年5月21日 (火)

定期テストに向けて

定期テストで好成績(80点以上)を取るのはそれほど難しいことではありません。習ったことからしか出題されませんし、範囲も入試に比べれば狭いわけですから。

80点に届かないのは、単純に回数が不足しているからです。1回やっただけで何もかも完璧になる人などいません。好成績を残すには、テストまでにどれだけ反復できるかがポイントです。できれば4・5回は繰り返したいところです。

塾や予備校に通っている場合、テストまでに自然と、この4・5回という回数をクリアすることになるわけですが、そうでない場合、自分で意識的に反復練習をする必要があります。そして、仕上げに、学校から配布されている準拠教材やワークに取り組んでおけば完璧でしょう。

一夜漬けはなるべく避けるべきです。短期間で一気に詰め込んだものは失われるのも早いからです。それだと、せっかくのテスト勉強が受験につながっていきません。回数をこなすためにも、一夜漬けを避けるためにも、早めの準備が肝要です。

2013年5月20日 (月)

ローマ字

今日5月20日は「ローマ字の日」です。これは1922年のこの日に「日本のローマ字会」が創立されたことを記念するものだそう。

ローマ字には、主にヘボン式と日本式の2種類があります。たとえば、「すし」はヘボン式なら「sushi」、日本式なら「susi」と表記します。例を見てお気づきの通り、主流はヘボン式です。

実は日本式ローマ字を考案したのは、岩手出身で、地磁気の測定で知られる田中館愛橘博士です。博士はメートル法の普及にも力を尽くされました。

メートル法は広まりましたが、日本式ローマ字の方はあまりうまくいかなかったようです。それはともかく、このような偉才の科学者が岩手から誕生したことを誇りに思います。

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2013年5月19日 (日)

接頭語・接尾語

漢字と異なり、表音文字のアルファベットからなる英単語は、我々日本人には覚えにくいものです。しかし、単語の頭についている接頭語や、末尾についている接尾語を把握しておくと、暗記の負担がかなり軽減されます。

たとえば、「dis-」という接頭語には「除去」という意味があります。このことを知っていれば、「discover」は「カバーを取り除く」から、「発見する」という意味になるということが無理なく頭に入ります。

また、「-less」という接尾語は「ない」という意味があることを知っていれば、「careless」は「care(注意)がない」から、「不注意な」という意味になるということも、特に覚えようとせずとも、自然に頭に入ってきます。

すべての英単語について、このようなことができるわけではありませんが、主な接頭語、接尾語を知っておくと役立つことが多いです。本やネットを利用して、ザッと目を通しておくのもいいかもしれません。

2013年5月18日 (土)

『刑事コロンボ』

『刑事コロンボ』新シリーズのDVDコレクションが登場しました。コロンボファンは数えきれないくらいたくさんいます。脚本家の三谷幸喜氏もその一人で、同シリーズをモデルに、『古畑任三郎』まで作り上げてしまったほどです。もちろん私も好きです。

『刑事コロンボ』は従来の刑事ドラマのパターンを根底から覆しました。

まず画期的だったのが、「倒叙ミステリー」とよばれるドラマ構成です。倒叙とは、犯人が誰であるのかを冒頭で明らかにしてしまうという手法です。これによって興味の対象は、「誰が犯人なのか?」ではなく、「どうやって犯人を捕らえるのか?」に変わりました。犯人という「結論」ではなく、推理という「過程」に視聴者の関心を移した、と言い換えてもよいでしょう。「倒叙」形式の導入によって、堂々と犯行シーンを描けるようになると同時に、犯人と刑事の対決を見せ場にすることが可能になり、大物俳優を犯人役に起用することができるようになったのです。

「コロンボ」のキャラクターも新しいものでした。コロンボは、決して長身でもスマートでもありません。それどころか、ボサボサ頭にヨレヨレのレインコートがトレードマーク。刑事でありながら拳銃さえ携帯しておらず、したがって、派手なアクションやラブロマンスは皆無。これも従来の刑事ドラマにはないものでした。

『刑事コロンボ』は、ロサンゼルスという狭い地域の、たった1つの殺人事件を扱いながら、犯人の性格や犯行の背景にある複雑な人間関係を次第に浮かび上がらせていきます。また、コロンボを見ていると、「本当に賢い人間は、実はそう見えないものなのではないか」ということを考えさせられもします。

私にとって、『刑事コロンボ』は単なる刑事ドラマではありません。主人公の推理を楽しむおもしろさとはまた別に、「人間を知る」おもしろさもあって、二重三重に興味深いのです。

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2013年5月17日 (金)

本当の睡眠学習

本当の睡眠学習とは、十分な睡眠時間(6時間以上)を確保しながら勉強することです。

最新の脳科学によれば、知識を整理整頓して「使える」状態に変えることが、睡眠の役割の1つとされています。前の日にいくら考えてもわからなかった問題が、一晩寝て起きたら、割とあっさり解けたという経験があなたにもありませんか。これは、寝ている間に記憶がきちんと整理された証拠です。

睡眠時間を削って勉強するのはいかにも頑張っているように見えますが、長期的には意味がありません。寝ることは、覚えたことをしっかり定着させるための大切な行為なのです。睡眠時間を減らさなくてもすむようにしたいものです。「自分は追い込まれないと力を発揮できないタイプだ」とかうそぶいていないで、早く始めましょう。

毎日、無理のない範囲でやるべきことをやって、寝る。あとの仕事は脳がやってくれます。学習用の音声を流すなど、睡眠中の脳のジャマはしない方が賢明です。

 

 

 

 

 

 

2013年5月16日 (木)

藤村と一関

若い頃に読んだ方がよい作家がいます。若い感受性でないと十分に味わえない作家がいます。たとえば、サリンジャーや太宰治。島崎藤村もそのような作家の一人だと思います。

島崎藤村は、1896年に東北学院の教師として仙台に赴任。1年で辞したものの、この間詩作に耽り、処女詩集『若菜集』で文壇に登場したことはよく知られています。しかし、それより3年も前に、一関に滞在していたという事実はあまり知られていません。

藤村は明治女学校の教え子でいいなずけのいる佐藤輔子を愛してしまったことで苦悩します。そんなとき、北村透谷の紹介で一関に傷心の身を運び、豪商の熊谷家に寄寓することになりました。ところが、奇しくも一関は佐藤輔子の少女期を育んだ地でもあったのです。

非常にドラマチックですが、本当の話です。一関は、こういう二重の縁で、若き日の藤村と結ばれているのです。

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2013年5月15日 (水)

アイドル効果

歴史はヒーローを通して眺めるべきものです。少なくとも、入門段階においてははっきりそうだといえます。しかし、歴史の教科書には事実が簡潔に記されているだけで、人物の魅力を感じることはなかなか難しい。

マンガ、伝記、小説、ドラマ、映画。気軽に楽しめるものなら何でもかまいません。教科書はひとまず置いといて、これらから歴史に入るのも一つの方法だと思います。

これらの作品にふれていると、一人は好きなキャラクター、魅力的な人物、いってみれば、自分のアイドルが見つかります。好きなアイドルに関することなら、ちょっとした情報でも気になりますし、目に留まるものです。特に覚えようとしなくても、情報が自然と頭に入ります。

歴史の中に好きな人物を見つけると、そこから広がって、戦国時代なら戦国時代に詳しくなっていきます。こうなればしめたもの。「歴史はつまらない」という意識さえ崩れてしまえば、他の時代も、遅かれ早かれ、ものにできるはずです。

2013年5月14日 (火)

センター赤本に寄せて

受験生の皆さん、2014年度用「センター赤本シリーズ」が発売されていますね。今年のセンター試験では、国語の平均点が101.04点と過去最低を記録したことは記憶に新しいところです。その大きな要因とされたのは、第1問で出題された小林秀雄の文章でした。

小林秀雄の文章が難しいのは、レトリックの多用と飛躍にあると思います。ですから、レトリックに惑わされずに言わんとするところをつかみ、論理の飛躍を自分で補うことが必要なのですが、事前に相当練習を積んででもいない限り、あの問題を約20分(センター国語は大問4つで80分)で処理するのは困難だったろう、というのが正直な感想です。

ですから、国公立大学を目指される皆さんは、センター試験を侮ることなく、事前の準備をしっかり行いましょう。もちろん、これは国語に限った話ではありません。

2013年5月13日 (月)

スティーヴィー

デトロイトのある学校の女先生が、授業中に逃げた実験用のねずみを、スティーヴィー・モリスという少年にたのんで、さがし出してもらった。この先生がスティーヴィーにそれをたのんだのは、彼が、目は不自由だが、そのかわりに、すばらしく鋭敏な耳を天から与えられていることを知っていたからである。すばらしい耳の持主だと認められたのは、スティーヴィーとしては、生まれてはじめてのことだった。スティーヴィーのことばによれば、実にそのとき―自分の持つ能力を先生が認めてくれたそのときに、新しい人生がはじまった。現在、彼は、スティーヴィー・ワンダーとして活躍している。

私のような若輩者が言うのもなんですが、人を育てることと自信をつけさせることは同義なのではないでしょうか。この話はそのことを私たちに教えてくれているような気がしてなりません。

今日5月13日は、そのスティーヴィー・ワンダーの誕生日です。

2013年5月12日 (日)

名犬

「名犬」と聞いてどの犬を思い浮かべるかに、その人の個性や世代が現れるように思います。

ラッシー、リンチンチン、ハチ公、ジョリィ……
なかには、上野の西郷さんの犬を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。

西郷隆盛は兎狩りが趣味で、それ用の薩摩犬を飼っていました。とりわけかわいがっていたのがあの犬で、名前はツン。牝犬です。

それにしても、どうしてツンという名前にしたんでしょう。すごいネーミングセンス。シュールです。気性が荒くてツンツンしていたから? まさかね。

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2013年5月11日 (土)

゛龍馬″を゛竜馬″に変えた人

好きな歴史上の人物で必ず名前が上がる人物の一人に坂本龍馬がいます。龍馬は「竜」の字を使ったことがありませんから、゛龍馬″と書くのが本来だと思いますが、最も広く用いられている山川出版社の教科書『詳説日本史』では「坂本竜馬」と記されています。「龍」の字は常用漢字ではないから、゛龍馬″ではなく゛竜馬″と記されているのだという説がありますが、では、なぜ「芥川龍之介」の表記には「龍」の字が使われているのでしょうか。

司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』の影響が無視できないというのが私の考えです。司馬さんは、「坂本竜馬」というヒーローを描くために、実在の人物である「坂本龍馬」と区別し、あえて「竜」の字を使ったのですが、小説が大ヒットしたために、日本人の中でフィクションの「坂本竜馬」と実際の「坂本龍馬」の混同が起こってしまったのです。

実際、『竜馬がゆく』以前は、坂本龍馬は現在ほどメジャーな存在ではなかったといいます。司馬さんの歴史小説は、もはや我々日本人の無意識です。

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2013年5月10日 (金)

SFのおもしろさ

SF作家の光瀬龍さんは、旧制一関中学校(現・一関第一高等学校)の出身です。OBという20101224_1546947ことで、私が一高生の頃、高校に講演に来てくださいました。

私は理系ではないのですが、SFは割と好きです。特に、星新一氏や筒井康隆氏の作品などは随分読んだものです。

SFのおもしろさは、「なるほどそんな見方もあるのか!」と、常識を揺さぶられることにあります。センス・オブ・ワンダー。「コインは長方形でもある」ということに気づかされる驚きとでもいいましょうか。

おそらくSF作家はものすごい常識人なのでしょう。常識を知り尽くしているからこそ、そこからずらすことができるわけです。同じことはお笑い芸人にもいえるのではないでしょうか。

2013年5月 9日 (木)

慶応と近現代の大衆文化

2006年慶応義塾大学文学部日本史からの抜粋。

次の文章を読み、文中の空欄に当てはまる語句を、それぞれの語群の中から選び、数字を記せ。

(略)
軍国主義の強化とともに、一時的に抑えられていった流行歌は、占領下の日本で、並木路子の( 1-リンゴの唄 2-東京ブギウギ 3-青い山脈 4-憧れのハワイ航路 )などによみがえり、人々に復興へのエネルギーを与えていった。
一方、文芸方面では、1913年、「都新聞」に連載された( 1-中里介山 2-幸田露伴 3-森鷗外 4-野村胡堂 )の「大菩薩峠」が大衆化のさきがけとなった。やがて雑誌メディアの発達にともない、( 1-高村光太郎 2-江戸川乱歩 3-大佛次郎 4-下村観山 )の「鞍馬天狗」などの小説が民衆の広い支持を受けた。( 1-吉川英治 2-横光利一 3-徳永直 4-永井荷風 )の「宮本武蔵」などとともに、前近代に時代設定しつつ、大幅にフィクションを展開したこれらの時代小説は、日本人の歴史意識の形成に少なからざる影響を与えた。
新聞や雑誌に連載された漫画もまた、広汎な人気を博した。なかでも、田川水泡の( 1-フクちゃん 2-冒険ダン吉 3-のらくろ 4-猿飛佐助 )は、戦前の民衆に広く受け入れられた。漫画は、昭和初期に全盛期を迎えたが、戦後も( 1-手塚治虫 2-長谷川町子 3-円谷英二 4-島田啓三 )によってストーリー漫画の新たな形がつくりだされ、現在の発展につながった。

解答 1、1、3、1、3、1 

これも日本史です。ある世代より上の方にとっては、「これが慶応の問題? 常識問題、サービス問題じゃないの?」とお思いになるでしょうが、当時受験した昭和60年代生まれの人たちにとっては、大衆文学は答えられるにしても、それ以外は意表を突かれた難問だったのです。どれだけ興味、関心の幅を広げていたかが問われる問題でした。

私としては、ついにここまで来たかと思うと同時に、慶応大学が「戦後史、文化史も手を抜くなよ」と言っている気がして、おもしろかったことを覚えています。

2013年5月 8日 (水)

脳に休みはいらない

ゴールデンウィークが終わりましたが、大学受験生にとってはあまり関係なかったと思います。来年ならともかく、今年は周りと一緒になって浮かれている場合ではないからです。特に、普段それほど受験勉強の時間を確保できない現役生であれば、休日は6時間くらい勉強するのが普通ではないでしょうか。

こう言うと、「そんなに脳を使ったら、頭が疲れてパンクしてしまう」などと言う人が必ず出てくるのですが、脳が疲れることはありません。疲れるとしたら体の方です。ですから、勉強をしていて疲れを感じたら、軽く体を動かすなり、適度なインターバルをおくなりすれば、それでよいわけです。

脳に休みはいりません。脳の心配をする必要はないのです。もし脳が休んでしまったら、その瞬間に私たちは呼吸さえできなくなってしまいます。

休みがいらないどころか、脳は使えば使うほどどんどん性能が高まります。専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、おそらく使い続けてさえいれば年齢はあまり関係ないのではないでしょうか。ですから、受験生の皆さん、遠慮せずに脳を使い続けましょう!

2013年5月 7日 (火)

読む国語辞典

私に、国語辞典は「引く」だけでなく、「読む」ものでもあるということを教えてくれたのは、「新解さん」こと『新明解国語辞典』でした。

たとえば、

れんあい【恋愛】=特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。

たとえば、

どうぶつえん【動物園】=捕らえてきた動物を、人工的環境と規則的な給餌により野生から遊離し、動く標本として一般に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。

時として出てくる、この独特で、アイロニーの効いた解釈は私たちを魅了します。しかし、「新解さん」のはるか以前にもユニークな解説の国語辞典は存在しました。その名は『言海』。明治24年(1891)成立。著者は、一関出身の蘭学者大槻玄沢の孫で、国語学者の大槻文彦です。

例を挙げれば、

デモクラシー=下流ノ人民ヲ本トシテ、制度ヲ立テ、政治ヲ行ウベシト云ウコト。古エノ所謂、下克上ト云ウモノカ

ねこ=温柔ニシテ馴レ易ク、又能ク鼠ヲ捕フレバ畜フ、然レドモ窃盗ノ性アリ、形虎ニ似テ二尺ニ足ラズ、睡ヲ好ミ寒ヲ畏ル

文語で書かれているため、現在の私たちには多少読みづらいところもありますが、言わんとするところは十分伝わります。『言海』あってこその「新解さん」なんだなぁと改めて思います。

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2013年5月 6日 (月)

質を求めすぎても失敗する

「勉強の質を高めることが大切だ」とよく言われます。質は確かに大切です。どれだけ勉強の量を積み重ねたところで、全く効果のない方法でやっていれば、その時間は無駄になってしまいます。しかし、その逆もまた然りです。勉強の質は高くても、トータルの勉強時間が圧倒的に少なければ、効果が出ることはありません。

「量より質を求めてしまった」ことが原因で、勉強に躓いてしまうことがあります。勉強していても目に見える効果がなかなか出ないとき、すぐに別の勉強法を探し始めてしまう。その結果、勉強がうまく進まない。これが、量より質を求めた勉強をしてしまうことによる失敗の例です。

そもそも、勉強の成果が出るまでにはどんな人であれ一定時間時間が必要です。このことを理解していないと、結局、失敗してしまいます。極端に間違っていない限り、今のやり方や参考書、問題集をコロコロ変えるのは逆効果だと知っておくべきでしょう。

 

2013年5月 5日 (日)

登龍門

『後漢書』と聞けば東夷伝を思い浮かべるのが普通ですが、『後漢書』李膺伝というものもあります。

中国の後漢時代、公明正大な人物であり、宮廷の実力者でもあった李膺に認められれば、将来の出世が約束されたということを意味しました。このため、彼に選ばれた人のことを、黄河の急流にある龍門という滝を登り切った鯉は龍になるという伝説になぞらえて、「龍門に登った」と形容したといいます。「登龍門」はこの故事に由来します。

男子諸君、これから君たちの前に現われるであろう関門を、見事乗り越えよ! その経験が必ず自信となり、君たちの支えになります。応援しています!

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2013年5月 4日 (土)

この木なんの木

私にとって、このCMソングと紀行番組『すばらしい世界旅行』は結び付いていて、切っても切り離せません。だから、この曲を聴くと私は、子ども時代の日曜の夜を思い出します。

今ではご存知の方も多いでしょうが、この木はハワイのモンキーポッド(アメリカネムノキ)です。参考までに。

2013年5月 3日 (金)

憲法改正について

「アメリカに押し付けられた憲法をいつまで大事に守り続けなければいけないのか」という議論があります。

一方、「憲法というのは、ほおっておけば暴走しがちな国家権力を統制することで国民の人権を守るもの、だからこその最高法規であり、簡単に改正できるようでは意味がない」という議論もあります。

今日は憲法記念日。善し悪しはともかく、憲法について少し考えてみませんか。無関心が一番よくありません。

2013年5月 2日 (木)

4択問題がわからなかったら

4択問題がわからなかったとき、あなたならどうしますか。おそらく勘で選ぶか、鉛筆を転がして決めるのではないでしょうか。もちろん本当にどうしようもないときはそうするしかありません。しかし、勘や運に頼らずとも、正解の確率を高められる場合があります。

たとえば、次の問題を考えてみてください。

問 わが国の食生活の変化について述べた文としてあてはまらないものを、次のア~エか         ら1つ選びなさい。
ア インスタント食品、レトルト食品が家庭に浸透し、食が簡便化した。
イ ファミリーレストランなどがたくさん出店し、外食することが多くなった。
ウ 和食以外に、中華や洋食の料理も多く食べるようになった。
エ 食品の安全を重視する志向が高まり、国内の食品を使おうとし、和食中心となった。

この問題は中学の公民の問題で易しいため、わからないということはないと思いますが、仮にわからなかったとしましょう。その場合でも、選択肢はウかエまでに絞ることができます。なぜなら、ウの「中華や洋食を多く食べる」と、エの「和食中心の食生活」は明らかに矛盾し、同時に成り立つことはありえないからです。このように、矛盾する選択肢があったら、無条件でどちらかが正解となるのです。ちなみに、正解はエです。

今度は、もう少し難しい問題を考えてみましょう。

問 下線部と同意のものを選びなさい。
He narrowly avoided falling off the cliff.
① barely  ② almost  ③ scarcely    ④ nearly

正解は①か③です。なぜなら、②のalmostと④のnearlyはどちらも「もう少しで~しそうになる」という意味だからです。このように、同じ内容の選択肢はどちらも不正解となります。どちらか1つに決めることができないからです。ちなみに、正解は①で、文意は「彼はがけから落ちるのをかろうじて避けた」です。

どれだけ勉強しても判断に迷う場面は必ず訪れます。そんなとき、最初から勘に運を任せるのはあまり感心できません。勘に頼ることなくどれだけ正解の確率を高められるか、そこがあなたの知恵の見せ所です。

2013年5月 1日 (水)

『あまちゃん』

岩手を舞台にした、NHKの朝ドラ『あまちゃん』が好調です。このドラマ発で、今や流行語になりつつあるのが「じぇじぇじえ!」という方言。驚いたときに発せられる言葉です。

岩手県は北海道に次ぐ面積があり、四国よりも大きく、都府県の中では最大です。だから、同じ岩手であっても、このドラマの舞台となっている北三陸地方の久慈市と、私の住む県南の一関市では方言が異なります。事実、私は「じぇじぇじえ!」を聞いたことがありませんでしたし、意味もわかりませんでした。

東北地方以外、特に西に行けば行くほど、岩手の正確な位置すらあやしく、まして、方言など、岩手県内ならどこでも同じだと思っている人が多いだろうと推測しますが、実はそうではありません。同じ岩手県でも地域によって微妙な違いがあります。方言は奥が深いものですな。

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